多様な人が自分らしく働く組織とは?

3年半前に
インクルーシブ教育のための組織づくり
多様な人が活躍できる組織マネジメント」について書いた。

あれから3年半も経った。
そしてここ2ヶ月はこのテーマについてまた悶々と考えている。
読み返したら3年半前に考えていたこととほぼ一緒なんだけど、今は「どう実現するのか?」を具体的に考えてる。
以下は私が悶々と考えたことなんだけれど、誰か良い文献とか書籍とか知ってたら教えて欲しいです...!

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多様な人が活きる組織
言い換えると、組織の構成員がそれぞれが自分らしく働いている組織。


1. 「違いを尊重しあおう」「得意・強み・好き」を活かそう」の共通認識

例えば、
・得意・不得意
・好き・嫌い
・やりがい
・望む働き方
は人によって異なるということが前提であることを組織の構成員が共通認識する。

それぞれ「ちがうねー」ってお互いに認識している段階。
そして、「それぞれ強みを活かしあいたいね!」って認識している段階。

しかし、これだけでは「頭では理解しているけれど腹落ちしていない」「頭では理解できるけど、気持ちがついていかない」
これはよく見る光景。
「お互いの強みや得意を生かすって頭ではわかっているけれど、あの人の仕事まで私がやらなきゃならないの。。。?」や「とはいえここまでできるのが前提っしょ」ってなる。
頭で理解できても感情的には難しい。
そして、頭でわかっていても感情が拒み、結果しんどくなってしまうこともある。

2.お互いの違いが「大切にされた」経験や強みが実際に「活かされた」経験をしながら、「ちがうと感じる人とのコミュニケーションの仕方」をスキルとして習得する。

本当に腹落ちするためには、経験が必要。
そしてこれはめちゃくちゃ難しいこと...
なぜなら「効率」や「合理性」だけを重視するマネジメントでは、かなわないから。
「あ、確かにお互いに尊重しあったら、活かしあったら、私もあの人もめっちゃ良い感じ!」って経験を実際に積むことが大切になる。その経験を積む中で、「自分と違うと感じる人とのコミュニケーション」の仕方を獲得する。

本来はこういう経験を本当は学校教育の段階で持てていると素敵。
つまり、「自分と異質と感じる人と共に活動し、共に成果を出した経験」。
この経験があると、「自分と異質と感じる人とのコミュニケーション」の仕方がある程度身についていると思われる。

余談:特別支援教育にかかわっている人はこれが得意なはずだ。かくいう私自身も、多様な子どもと接した経験により、自分のコミュニケーション力は格段に上がった(と思っている)。共通言語がない存在とのコミュニケーションのためには、その行動や言動のありとあらゆる背景や意味を推測し、その人なりの(私には理解することが困難である)世界観を尊重した関わりが欠かせない。子どもとのやりとりは、私に相手の行動・言動の意味を推測する「想像力」を与え、さらに、その人の世界観を尊重することから始めないとまったくもって関係性を築けないことを教えた。
「自分と異なる前提を持っている大人」に対して以前は食ってかかっていたが、子どもたちに教えてもらってからは、「異なる前提を持っている大人」に対しても、その人の言動・行動の意味を推測するようになり、その人の世界観を尊重することから始められるようになった。(けんかが減った。)
余談終了。


3. 経験の中で自己理解と他者理解を繰り返す。

経験をする中で、
自分自身の得意・不得意、好き・嫌い、やりがい、望む働き方、どんな環境に自分がいることが一番幸せと感じるのか?を自己理解できるようにする。
そして、他者についても同様に理解「しようとする」。
大事なポイントは、「しようとし続ける」こと。
なぜなら、絶対に、絶対に、他者のことを完璧に理解することは無理だから。
完璧に理解している、なんて思ったら危険。
自分のことすら理解できないからね。これも子どもたちから学んだこと。
決めつけないことが大切。
そして、時には自分は「尊重している」と思っていても相手が「尊重されていない」と思っている時があることを認識しておくこと。


4.自分についても、他者についても、「自分らしく働く」と、「組織への貢献の最大化」の最大公約数を考える。
これはものすごく難しい。「この組織でどんな環境・ポジションにいたら自分や他者の「自分らしく働く」と「組織への貢献の最大化」が実現できるか?」ってこと。
自分自身について、これが考えられることも大事だが、
管理職の人は組織の構成員のこれを考えることがものすごく大事な仕事になる。



5.個々の変化と組織の変化に合わせて調整をし続ける。
人は変わるもの。組織も変わるもの。
自分の成長の速度や、組織の成長の速度に合わせて、定期的にメンテナンスする。
私はちょうど今その時期。
改めて自分の得意・不得意、好き嫌い、やりがいや望む働き方に立ち返る。
何したいんだっけ?どうありたいんだっけ?
どんな環境だったらそれが実現できるんだっけ?

6.ひとりじゃしんどいから、上記5つは仲間とする。

自分で自己認識していくのって超難しい。
それに、他者についてだって、自分は一つの側面しか見れていないことの方が多い。
だからお互いにそれぞれについてフィードバックしあったり、リフレクションを促しあったりするのが良い。
そして、他者についても、チームで考えるのが良い。
絶対に偏るもの。

これも子どもから学んだのだけれど、
どんな専門家でも、「完璧にアセスメント」するなんて無理。
絶対に何かしらでバイアスがかかるし、一つの側面しか見れない。見れても二つとか。
だからみんなでその子をアセスメントするのが大事。

同じように、複数の目で自分も他者も見れた方がより良いと思う。


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ここまでが今まで考えてたことのまとめ。
多分これからまた考えて変わったり、更新したりすると思う。

ひさびさのあたし論でした。
最近はこういうことばかり考えているのです。
お話したい人お話しよう。

「多様な人が自分らしく働く組織」は、「障害の有無に関わらず働きやすい組織」なのです。

写真は最近出た本(一部執筆)と雑誌(巻頭対談)。



 

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